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4.「差別化戦略」を疑え! 

差別化戦略からはマネ商品しか生まれない!?

 差別化戦略はマーケティング戦略の中でも基本中の基本だ。
 あらゆるマーケティング戦略の書に「差別化こそが勝利の秘訣だ!」と書かれている。もちろん私もそう信じて疑わなかった。

 さて、ここであなたに質問がある。あなたは差別化戦略に関して書かれた教科書を過去に読んだことはあるか?私が知っているかぎり、差別化戦略という言葉はほとんどすべての人が知っている。だが、差別化戦略について学んだ人は意外に少ない。

  多くの会社が実行する差別化商品は、次のステップで作られてゆく。

 ? 競合他社の商品を研究する
 ? 競合他社の商品の利点は自社商品に取り込む
 ? 競合他社商品の抱える欠点を改善する

 ? 付加価値を付ける


 というステップだ。
 
 図版1



 つまり、上記の図で言えば
他社商品の強みである「特徴や利点」をよく研究して、顧客に支持されている利点は自社商品にも生かす。
 場合によってはその「特徴や利点」を自社に取り込み際に、さらに向上させる。

 「早い!」ことが他社商品の利点であれば、差別化商品では「より早く!」を目指すのだ。
 「安い!」であれば「より安く!」、「うまい!」であれば「よりうまく!」だ。
 
 つまり他社の特徴や利点をさらに向上させ、欠点があればそれを改良し、そこに、低価格などの付加価値を付けることで、他社商品との「差」を作り、その「差」で自社の商品をアピールするという考えだ。

 これを図に表すと以下のようになる。


 図版2

 この方法で差別化商品を作りだした人はこう考える。

「他社の強みは自社商品にも取り入れた。さらにその強みも向上させた、他社の欠点も改良し、付加価値も付けた、これだけやればヒットしない理由など、どこにもない!」と。

 ところが結果はどうだろうか?
 この方法で競合他社を超えることはできるのだろうか?

 答えは NO!である。

 「この差別化戦略で生まれた商品では絶対に勝てない!」

 これが驚きの結論だ。
 なぜか?答えは簡単だ。

 この差別化戦略では結局、マネ商品しか生まれない。これが決定的な理由だ。
 
 勘違いされた差別化戦略

 確かに差別化戦略の真髄を理解し、正しく実行すればこのようなことは起きない。
 しかし、私の知る限り90%以上の人が間違った考えで差別化戦略を実行している。

次の?〜?のステップには誤りがひとつだけある。それはどれか?

? 競合他社の商品を研究する
? 競合他社の商品の利点を自社商品に取り込む
? 競合他社商品の抱える欠点を改善する
? 付加価値を付ける

答えはもはや明白だ!

「? 競合他社商品の利点を自社商品に取り入れる!」
 これが誤りなのだ。

「競合他社の研究」も「欠点の改善」も「付加価値」も、すべて必要不可欠な要素だ。
 しかし、競合他社の強みである「利点」を自社商品に取り入れた時点であなたの商品は、

 二番煎じのマネ商品となるのだ。

 商品の「利点」とはすなわち、その商品の「魂」だ。
 その商品のすべてだといっても過言ではない。
 他社の商品の利点を不用意にあなたの商品に取り入れてしまえば、いかに他社の欠点を改善したとしても、いかに付加価値を付けたとしても、それは単なるマネ商品にすぎない。

 あなたが考えている以上に顧客はこの「魂」を重視する。
そして真に魂を持った商品は何かを見抜くことができる。そして、魂を感じることができない商品を顧客は信用しない。
 利点の向上、欠点の改善や付加価値に対する顧客の評価は、あなたが考えている以上にずっと低いのだ。

 図版3


 実は差別化戦略が真に求めているのは「差」ではなく「独自性」なのだ。他社の利点を自社に取り入れてしまうようなものは、真の差別化戦略ではない。だが「差別化」という言葉が日本人に与えた誤解はあまりにも大きい。

差別化戦略を実行するのはあなただけではない!

 顧客はあなたのマネ商品を見てどう思うだろうか?
 「マネされるぐらいあの商品はすごかったのか!」と、オリジナル商品の価値が上がる。

 そして顧客がマネ商品に求めるものは価格だけだ。
 「それでおたくのコピー商品はいくらお安くしていただけるの?」ということになる。
 
 それだけでなく、この誤った差別化戦略はさらに大きな問題を引き起こす。
 同じように考え、同じような二番煎じのマネ商品を作る会社は、あなたの会社だけに終わらない。

 二番煎じの会社は必ず何社も現れる。さらに三番煎じ、四番煎じの会社もだ!

 すべてのマネ商品は「オリジナル商品の利点+欠点の改善+付加価値」で構成されている。つまりマネ商品同士は非常に似てくるのだ。さらに三番煎じの会社は、二番煎じの会社の利点も取り入れてゆく。これがごく自然の流れだ。四番煎じぐらいで向上すべき利点も、改良すべき欠点も、付けるべき付加価値も、その幅は非常にせまいものとなってゆく。その時点でマネ商品は完全に同一化してしまう。そして魂はマネを繰り返すうちに、どんどんと劣化してゆく。

 競争はオリジナル商品対追従商品群で起きると考えがちだ!マネ商品が連合軍となって、オリジナル商品を攻撃する。そんな姿を思い浮かべてはいないだろうか?しかし、実際には競争はマネ商品群同士でしか発生しない。それはまさに共食いの戦いなのだ。

提供:ビジネスブログのe売るしくみ研究所